福島へ(郡山)
東京から福島県まで車で3時間。
この距離は決して「遠いところ」ではない。
普段メディアを通して見る震災を、隣でおきていることとして意識している人がどれだけいるだろう。
支援に向かった郡山養護学校は福島第一原発より40㎞程西に位置している。
そこで避難生活をされている方のほとんどは原発の近くに住んでいた方たち。
4月24日現在、84名の避難生活者、職員、ボランティア、自衛隊の方々が滞在されていた。
我々はそこで韓国料理の昼食提供と子供たちに簡単な折紙ワークショップをさせて頂いた。
料理は野菜を中心としたビビンパとトックスープ。野菜のおかわりをされる方が多かった。
出番を終え引き上げる際、多くの方に感謝の言葉をかけて頂き元気を頂いた。
言葉、物資、まなざし、温もり、笑顔、何でもいい。
手渡ししてみて初めてわかることがある。
互いの心情が心に響く瞬間があり、痛みが少し伝わってくる。
他者との交流は希望をイメージする力となり、我々は近くの出来事としてリアリティを持つ。
原発に「福島」という名称があることで、福島全体が汚染されているように誤解されている。
だが決してそうではない。
福島は生きているし、これからも人々の暮らしは続く。
この美しい土地は簡単には損なわれない。
「このことを全国の人に伝えてほしい」と皆さんから強いメッセージを受け取り帰路についた。
参加
- 丁仁英
- 三部由夏子
- 櫻井雅子
- 長岡真里
- 吉原淳子
- 上和田久美子
- 小野正美
- 小野節子
- 三苫優仁
- 三苫健次郎
協力
- 松井佐代子
- 笹の川酒造 山口恭司専務ご夫妻
- 東日本大震災ボランティアバックアップセンター
- ハートネットふくしま
- 福島県立郡山養護学校
- 世田谷区立深沢児童館
- RUCKSACK SPACE DESIGN
避難生活と建築
過酷な避難生活を支える者がいる。
地域の職員、自衛隊、様々なボランティア 等々
そして建築もその一つ。
郡山養護学校は渡部和生氏が設計し1999年に竣工した美しい建築空間である。
過酷な避難生活の舞台となる体育館は明るい光に満たされている。
そして天井を見れば美しい空が見える。
建築が救いを与える瞬間がある。
美しい光に満ちた空間は、さりげなく希望や活力を人に与え続けている。